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出っ歯はマウスピース矯正だけで治る?

私は東京医科歯科大学の歯周病専門外来にて、難症例を含む幅広い治療の研鑽を積み、その後は都内歯科医院にてお子さんからご高齢の方まで多くの患者様のお口の健康づくりをサポートしてまいりました。

患者様一人ひとりの症状やご希望に合わせて、あらゆる治療の選択肢をご提案し、心から納得していただける治療法をお選びいただけます。神保町ミセ歯科・矯正歯科は、患者様との信頼関係を大切に築きながら、ドクター・スタッフともに一丸となって、あなたの健康を末長く支えてまいります。

前歯が出ている、いわゆる「出っ歯」が気になり「矯正治療をしたい」「マウスピース矯正で治せるのだろうか?」などと悩んでいませんか?
出っ歯は「マウスピース矯正」でも治療できます。ただし、原因や症状によっては難しいケースもあり、あらゆる症例に適用できるわけではない点には注意が必要です。

    本記事では、出っ歯の治療にマウスピース矯正が適するケースと難しいケースの他、部分矯正と全体矯正の違い、矯正治療にかかる期間や費用について紹介します。マウスピース矯正を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

    マウスピース矯正で出っ歯は治るのか?

    出っ歯のマウスピース矯正は、その重症度やブランドによって治療できる場合とできない場合があります。
    改善可能なのは、次のような軽度〜中等度の出っ歯の方です。

    • 骨格に問題がなく、歯の傾きが出っ歯の原因である
    • 前歯の重なり具合が少ない
    • 前方への突出が軽度

    一方、次のような重度の症状は、マウスピース矯正では治療できない可能性が高いといえます。ワイヤー矯正による治療の他、外科手術を必要とするケースもあるでしょう。

    • 骨格が原因で歯が前に突き出している
    • 上の歯が下の歯よりも6mm以上出ている
    • 歯を大きく移動させねばならない

    また、マウスピースはブランドによって、対応できる症例の範囲が異なります。そのため、ご自身がマウスピース矯正ができるかどうかは、歯科医師によるカウンセリングを受けて判断してもらいましょう。

    そもそも出っ歯とは?

    出っ歯とは、上の前歯が下の前歯よりも前に出ている状態をいいます。正式には「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」と呼ばれ、歯の傾きや顎の骨格によって生じる症状です。
    出っ歯かどうかの基準は、上の前歯が出ている程度です。下の前歯より出ている長さが3mm以内であれば出っ歯とはされず、4mm以上であれば出っ歯とされます。
    放置すると、見た目の問題だけでなく、健康上様々な問題が生じる可能性があります。ここでは、出っ歯になる原因や、放置するリスクについて解説します。

    出っ歯になる原因

    出っ歯になる主な原因としては、遺伝によるものと、歯並びに悪影響を与える習慣によるものが挙げられます。

    遺伝によるもの

    親や祖父母が出っ歯の場合、その骨格的な特徴が子どもに遺伝して出っ歯になることがあります。特に次のような要素が遺伝すると、出っ歯になりやすいでしょう。

    • 上顎が大きい
    • 下顎が小さい
    • 歯が大きい

    これらの遺伝的要素が発現すると、歯と顎のバランスが合いません。例えば、顎が小さいのに歯が大きいと、歯が並びきらずに前方に押し出され、出っ歯となるでしょう。

    また、遺伝が原因の場合、骨格によって出っ歯となるため、マウスピース矯正だけでは対応できない可能性もあります。

    習慣によるもの

    日々の悪習慣によるケースもあります。具体的には次のような癖があると出っ歯になりやすいでしょう。

    • 幼少期の指しゃぶり:指をくわえることで前歯が前方に押し出され、噛み合わせがずれる
    • 爪を噛む:前歯や上顎に圧力が加わるため、前歯が押し出される
    • 舌で前歯を押す:前歯に圧力がかかり出っ歯になる。下の位置や噛み合わせに問題があるケースが多い
    • 口呼吸:舌の位置が下がり、上顎の成長を妨げるため出っ歯になりやすい
    • 舌を噛む:前歯に圧力がかかり出っ歯になりやすい

    悪習慣が原因の場合は、骨格まで問題が及んでいないケースも多いため、マウスピース矯正によって治療可能な症例が多いといえます。ただし、後戻りしないためには癖を改めることが大切です。

    出っ歯を放置するリスクについて

    出っ歯症状は、見た目の問題だけでなく、次のような健康上のリスクもはらんでいます。

    リスク 内容
    虫歯や歯周病になる 口を閉じにくいために口呼吸になりやすい。口腔内の乾燥によって自浄作用のある唾液の量が減り、歯垢がたまりやすくなる
    食べ物を噛みにくい 硬い食べ物を噛み切りにくく、食べにくい。また、全体の噛み合わせが悪くなると、しっかり噛めないために胃腸への負担が大きくなる
    顎関節症になりやすい 上下の前歯が適切に噛み合わないため、下顎が前後に動く際に不自然な力が加わる

    このようなリスクを防ぐためにも、出っ歯は放置せず、早めの治療が望ましいといえます。

    出っ歯を治すのに部分矯正と全体矯正どっちがいい?

    出っ歯の矯正には、部分矯正と全体矯正の2つの方法があります。どちらが適しているかは症状によって異なり、必要な治療期間や費用も異なります。ここでは、部分矯正と全体矯正の違いについて紹介します。

    症状による矯正方法の違い

    部分矯正と全体矯正のどちらがよいかは出っ歯の程度によります。

    次のような軽度の症状である場合は、部分矯正で治療可能です。

    • 骨格に問題はない
    • 噛み合わせは正常
    • 歯と歯が重なり合っている部分があまりない

    部分矯正には費用や治療期間を抑えられるというメリットがあります。

    一方、次のような場合は全体の矯正が必要です。

    • 骨格に問題がある
    • 奥歯の噛み合わせが悪い

    全体矯正は時間がかかりますが、根本的な改善が可能です。
    どちらが適しているかは歯科医師に相談し、アドバイスを受けましょう。

    治療期間の比較

    マウスピースによる部分矯正と全体矯正では、治療にかかる期間が大きく異なります。具体的な目安としては以下のとおりです。

    矯正方法 治療期間の目安
    部分矯正 数ヶ月〜1年程度
    全体矯正 1年〜3年程度

    部分矯正の方が動かす範囲が限られるため、治療は短期間で終了します。一方、全体矯正は治療期間は長くなりますが、根本的な歯並びを改善でき、噛み合わせもよくなります。

    費用の比較

    マウスピースによる部分矯正と全体矯正では、治療にかかる費用も異なります。具体的な目安は以下のとおりです。

    矯正方法 費用の目安
    部分矯正 30万〜70万円
    全体矯正 80万〜150万円

    ただし、上記はあくまで目安です。矯正治療は自費診療となるため、クリニックによって異なります。具体的な見積もりは、実際にクリニックを訪れて尋ねてみましょう。

    マウスピース矯正で治すのが難しい出っ歯の症状

    マウスピース矯正で治せるのは、歯並びの乱れの程度が軽度〜中等度の場合です。以下のような重度の症状や骨格に問題がある場合は難しく、ワイヤー矯正を検討せざるをえないでしょう。抜歯や手術が必要な可能性もあります。

    骨格が原因となっている出っ歯の場合

    骨格が原因の出っ歯とは、上顎が大きく成長していたり下顎が小さかったりするために前歯が出て見える状態です。口の中の歯並びには問題がないケースも多くあり、歯を移動させても改善が見込めないため、マウスピース矯正だけでは治療できません。ワイヤー矯正だけでも治療が難しい場合もあるでしょう。手術による顎の骨の調整といった外科的処置の併用を検討する可能性もあります。

    重度の出っ歯の場合

    歯並び全体が著しく悪いために、重度の出っ歯となっている場合もマウスピース矯正だけでは治療が難しいことがあります。歯を大きく動かす必要があったり、歯を動かすスペースがなかったりする症例などが該当します。ワイヤー矯正による治療の他、抜歯などの外科的処置が必要になる可能性もあるでしょう。さらに、上顎と下顎の位置関係が大きくずれている場合には、顎の骨を切って位置を調整する手術を併用することもあります。

    ご自身の症状がマウスピース矯正で治療できるのかどうかの判断は、専門の歯科医でなければ難しいものです。ぜひ矯正歯科医師に相談し、適切な治療法を選択しましょう。

    マウスピース矯正で出っ歯を治す場合の注意点

    マウスピース矯正は目立たずに出っ歯の治療ができるため、見た目を気にする方にとっては、非常に魅力的な方法です。しかし、正しく装着しなければ治療効果を得られなかったり、骨格の問題や出っ歯の程度が重度でなくても選択できなかったりする場合もあるため、注意が必要です。

    マウスピースの装着時間を守る

    取り外しができることはマウスピース矯正のメリットの一つです。食事や歯磨きの時に外せるため、ワイヤー矯正と比べるとストレスを感じにくいでしょう。

    しかし、その分自己管理が必要で、1日20~22時間の装着時間を守ることが非常に重要です。装着時間が不足すると、次のようなことが起こりえます。

    • 歯が予定通りに動かず、治療期間が延びる
    • 歯が元の位置に戻ってしまう
    • マウスピースが合わなくなる

    マウスピースは歯に力をかけて徐々に移動させるものです。長時間外してしまうと、歯が予定通りに動かないばかりか、元の位置に戻ってしまうリスクもあります。1日付け忘れた程度では大きな影響はありませんが、それが頻繁に続くと、マウスピースが合わなくなり、装着できなくなる可能性もあります。

    マウスピースを外す時間はできる限り短くし、決められた装着時間を守ることが大切です。

    インプラントが多いと矯正治療ができない場合がある

    マウスピース矯正を含む矯正治療は、歯を少しずつ動かして正しい位置に誘導するものです。しかし、顎の骨に固定されているインプラントをしていると、歯を移動させるスペースを作れず、矯正治療ができない可能性があります。全く治療できないわけではありませんが、本数が多いと難しいでしょう。

    また、インプラントの部位によっても矯正治療ができない可能性があります。特に出っ歯を治したいけれど、上の前歯がインプラントであるような場合は、動かせないため、マウスピース矯正による治療はできないでしょう。治療できるケースもありますが、理想の歯並びにするのは難しいかもしれません。

    インプラントがある方の矯正治療が可能かどうかは、症例によるため、矯正歯科でよく相談しましょう。

    まとめ

    出っ歯は軽度から中等度であれば、マウスピース矯正で治療可能です。しかし、骨格が原因であったり、重度の症例であったりする場合には適用が難しい可能性があります。ご自身の場合に適用可能かどうかは専門の歯科医師に相談して判断してもらいましょう。

    また、マウスピース矯正による治療効果を得るには、1日20〜22時間の装着時間を守ることも大切です。

    出っ歯の悩みを納得できる形で解消するためにも、専門の歯科医によく相談し、ご自身の歯の状態に合った治療法を選びましょう。

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    日付:   カテゴリ:矯正歯科